乳幼児の虫歯予防(歯科医院でのフッ素塗布)は何歳から始めれば良いの?

!虫歯は予防できる病気です!

ほんの20年くらい前までは虫歯になる子の方が多かったのは、

親御さん世代なら実感でもお分かりになるのではないでしょうか?

ところが今では日本人の虫歯の数は、

北欧の国々(虫歯予防先進国)のレベルに追いつくところまで

減ってきています。

なぜでしょうか?

それは、虫歯を予防する成分であるフッ素が

日本で市販されている歯磨き粉の90%以上に配合されたこと(2010年ごろ達成)、

さらに日本でも2017年3月よりフッ素濃度の上限が緩和されたこと、

インターネットの普及で、正しい歯磨きや、

虫歯予防の方法が広く知られるようになったこと、

特に家庭でのフッ素洗口という方法広く知られたこと、

歯科医院でのフッ素塗布が一般的になったこと、

などが追い風となり子供の虫歯は減少傾向にあります。


もちろん、きのしたデンタル ケア プラス キュアでも開業以来、

虫歯予防のためのフッ素塗布を行なっています。


では虫歯予防は気になるけど、いつからフッ素を使えばいいのでしょうか?

子供の歯を虫歯にしたくないけど、何歳からフッ素を使えばいいのかわからない。

これは、われわれ歯科に関わるものたちが一番よく聞かれる質問かもしれません。

特に第一子が産まれた方から受けることが多いです。

初めての可愛い我が子、虫歯にはしたくない!

でも、わからないことが多いのが当然ですよね?

今日は、虫歯予防の中でも歯科医院でのフッ素の塗布を始める時期についてお話をしましょう。

最初に結論です!

いきなりですが、最初に結論です。

原則として、歯科医院でのフッ素塗布は

歯が生え始めたら何歳からでも良いのです。

(歯が生えた状態で生まれてこられるお子さんもいらっしゃいますが、

その場合は首がすわってからがオススメです。)

赤ちゃんに乳歯が生えるということ

赤ちゃんに歯が生え始める時期は個人差があります。

(これは、本当にマチマチで
院長は「萌出時期というのは早くても遅くても個性だよ」といつも説明しています。
ただし、先天的に歯が存在しないこともあります、これについては別の機会に記事を書きますね。)

ちなみに最初に生えることが多いのは、下の前歯です。(下顎かがく前歯ぜんし

そして、生えたての歯は乳歯、永久歯共にとても弱いのです。

また歯というのは生えた後、

お口の中で唾液中に含まれるカルシウムが歯に吸収され

さらに硬く丈夫になります。

だから生えて間もない時期の歯は、まだ十分に強くなっていないため、

むし歯になりやすくむし歯が進行しやすいのです。

フッ素塗布に効果的な年齢は何歳?

順に読んでこられた方はもう気がつかれたでしょう。

実は年齢はほとんど重要ではないのです。

つまり、歯を強くするフッ素を塗布するのに最も効果的なのは

乳歯・永久歯に関わらず生えた直後に塗ることです。

まずは下の前歯が生えてきたころから

定期的に歯科へ通い病院に慣れるとともに、

フッ素の塗布を始めましょう!

フッ素の塗布は何回受けると効果的なの?

ただし、魔法のお薬ではないので

1回塗布したら終わりとはいかないのが悩ましいところです。

基本的には3ヶ月から4ヶ月に1度の塗布がオススメです。

つまり年に3〜4回のペースです。

フッ素には虫歯を予防するだけでなく、歯を修復する働きもあります。

カルシウムイオンやリン酸イオンが溶け出して

脱灰状態(虫歯と健康な歯の中間、ただしその程度には幅がある)になった歯を

元の健康な状態の歯に戻す「再石灰化」を促進して歯を修復し、

虫歯に強い丈夫な歯にします。

歯科医院でのフッ素塗布はハードルが高い?

そうは言っても、お家でも歯磨きの時に口を開けない。

人見知りで、たぶん病院では泣いてしまうかも。

うがいが出来ないといけないの?

などなど……

悩みは尽きませんよね?

しかし実際に診察していると、

意外と親御さんたちが思うほどは行きにくくはないのではないか?と感じます。

こんな子が多いから大丈夫!(^_^)

確かに、お口の中を触られるのが苦手なお子さんもいらっしゃいます。

しかし、多くのお子さんは早い時期から歯科医院へ通うことで

徐々に平気になるものです。

病院で触られることに慣れて、

お家でも歯磨き時に上手にお口を開けられるようになったお子さんも多いです。

人見知りの激しいお子さんも同様です。

最初から完璧には難しいかもしれませんが、

幸い2〜3度通ううちにほとんどのお子さんが、

医師やスタッフに慣れられます。

お子さんが大きくなってから、定期検診についてこられた親御さんが

「最初に連れてきた時は大変だったのにねぇ」と笑われている光景は、

きのしたデンタルケアプラスキュアでは普通のことです。

また、うがいができない年齢でもフッ化物を塗布することは可能です。

歯の表面に塗布できれば効果が期待できます。

塗布直後は逆にうがいはしないほうが歯にフッ素が浸透しやすいのです。

まとめ

ちょっと長くなりました。

要するに、お子さんの成長に合わせて歯が生え始めたら

歯科医院でのフッ素塗布による虫歯予防は開始されて構いません。

(歯が生えた状態で生まれてこられるお子さんもいらっしゃいますが、
その場合は首がすわってからがオススメです。)

ただし、フッ化物はむし歯予防の魔法の薬ではありません。

フッ素を塗ったからといって安心せず

歯みがきの習慣やきちんとした食生活をすることが大切です。